不器用なシタゴコロ

「…同僚って、もしかして…?」

『須賀チャン。
事務所で仕事してたら言われてビックリだ…よ…』





至ってフツーに見えるけど。

顔が引きつってるのがわかる。



え?

いやいやいやいや、ちょっと待ってよ!!

そこ、引きつるところ?!





「…柚チャンは“ソレ”が見える距離までスガチャンと近づいたってコトだよね…」

『いや、ちょっと待って!!』

「だったらもっと派手につけてやればよかった」

『やめてって!!』





にこやかに引きつる笑顔。

しかもそれがキレーな顔立ちだったりすると。

恐怖以外のなにものでもない。





…これって“ヤキモチ”の範疇にはいるの?!

ちょっと過剰じゃない?!





『…あの、とーや、クン…?』

「あっち、行こうか」

『え…ちょっ…ひゃあ!!』





そう言って。

私を抱き抱えたとーやクンは。

リビングの隣の部屋へ足を進めた。



 

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