不器用なシタゴコロ
『…仕事?』
「ん」
隣に座った私を気にせずに。
パソコンの画面とにらめっこしてるとーやクン。
時折カタカタと何かを打ち込んでるけど。
なにがなにやら。
『…そう言えばさ…』
「ん〜?」
『“脳内LOVE”って私のこと考えてできた曲だって言ってたよね…?』
「…まぁ…」
『ちゃんと聴きたいな〜』
1回しか聴いてないし。
しかも歌詞だって曖昧。
とーやクンがどんな歌を作ったのか。
ちゃんと知りたいじゃない?
でも。
とーやクンはパソコンから目を離さずに応えた。
「ヤダ、無理」
『なんでよ』
「あのライブ1回きりだって約束だから」
『ケチ!!』
「あーもー…うるせぇなぁ…」
呆れたようにとーやクンが。
脇に置いてあった紙を私に渡してきた。