不器用なシタゴコロ
その後。
運ばれてきた料理もすごくおいしくて。
盛り付けとか、器もよかったし。
ウチのお店でも使えそう。
…うん、勉強になったわ。
なんて。
職業病が出ながらも。
おいしく食事ができた。
「ゆずサンっていくつ?」
お酒も入って。
敬語のなくなったとーやクンが言った。
「22だよ。とーやクンは?」
「俺?21。変わんないね」
…21。
年下かぁ…。
でも。
1つくらいじゃ大差ないか。
「どんな仕事してるの?」
「…音楽関係?」
「なんで疑問形なのよ」
「…なんとなく?」
…ん?
はぐらかされた?
正面に座っているとーやクンは笑いながら。
箸を器用に使って豆をつまんでいた。