不器用なシタゴコロ

ヤバい。

調子にのりすぎた。





そう思っても、時すでに遅し。

とーやクンは口元を隠しながら窓の外に視線を動かした。





今のは完全にひいたよね。

モモクンのことだけが好きなんじゃないんだよ?

2sbBみんな好きなんだから。





いやいやいやいや。

とーやクンがひいてるのはそこじゃない!!

私が調子にのって“オタク”全開に…。





「…それだけ思われてる2sbBは幸せだ」





不意に聞こえてきた声に隣を見ると。

とーやクンは窓の外を見たままだった。





…どうしてこの人は。

私を喜ばせる言葉をいとも簡単に言うんだろう。





さっきもそう。

今もそう。

呆れたかひかれたか。

そう思ったのに。

想像とまったく違う言葉をくれたんだ。



 

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