不器用なシタゴコロ
「今日は飲みに行きまぁす」
…って。
ずいぶんゴキゲンなうえに。
メイクに気合いが入ってるんじゃないですかね?
…“こーゆー予感”は高確率で当たる。
自分でも眉間にシワが寄ったのがわかった。
「誰と?」
「柚と」
「2人だけ?」
そう聞いた瞬間。
沙保は苦笑いを浮かべた。
「…いやぁ…。
この間来た医者だっていうお客さんから誘われててぇ。
あっちも友達連れて来てくれるって言うんだよー」
…やっぱり。
確かに“飲み”には違いないけど、さ。
それって“合コン”ってやつにならない?
「白馬に乗った王子様は待ってるだけじゃ来てくれないから!!
こっちから迎えに行くぐらいしないとね!!」
…なぁんて言ってるけど。
沙保サン、あなた…。
“医者”って職業に惹かれたね…?