不器用なシタゴコロ
「…帰りたい…」
「そう言わないでつきあってよーっ」
「なみサンいるなら私いらないじゃん」
「チーフが帰ったら人数合わなくなるから!!」
約束は7時。
3対3の飲みらしく。
待ち合わせたお店の前には、沙保が声をかけた同じ職場のなみサンがいた。
なみサンは私たちより少し年上で。
頼れるお姉さま。
仕事中はナチュラルなメイクでホールを颯爽とまわってるけど…。
現在。
沙保同様メイクばっちり、やる気マンマン。
…なみサンも“医者”につられたかな…。
一方。
まったくやる気のない私。
ますます場違い…。
「とりあえず行きますか!!」
ため息の止まらない私は。
沙保となみサンに両腕をガッツリ掴まれ。
半ば無理矢理、連行されているかのように。
店内へと引きづりこまれた。