不器用なシタゴコロ
沙保の前に座ってるのが医者。
なみサンの前が社長。
私の前には弁護士。
俗に言うエリート集団ってヤツですね…。
沙保となみサンはテンション上がりっぱなし。
それでも周りの空気考えてか控えめではあるけれど。
「どうしたの?調子悪い?」
「あ、いえ…」
話に参加しない私に気を遣ってか。
私の前に座ってる弁護士が話し掛けてきた。
…体調不良ではないけれど。
そもそも合コン苦手だし。
この雰囲気は私には合わない。
早く帰ってビールが飲みたい。
それに。
心配してもらって申し訳ないけど…この人たちも苦手だ。
「…すいません。ちょっと失礼します」
“フゥ”と小さくため息を吐くと。
仕事用の笑顔を作って席を立った。