不器用なシタゴコロ

「…ハァァァァァァァ…」





ひとりになって落ち着いたのか。

レストスペースの鏡の前で盛大にため息を吐いた。





あの雰囲気、ホント無理。

無理無理無理。

あんなエリート集団とこんなお店で飲み会とか。

落ち着いて飲めるわけないでしょーが。





まぁ、メインは飲み食いじゃなくて。

“合コン”なんだけど、ね…。





沙保もなみサンもすごい。

あのエリート相手に負けてないもん。

私なんて気後れしちゃってますって…。





「…ハァァァァァァァ…」





鏡の中に疲れてる自分を見るとさらに疲れる。

そんな自分にまたため息を吐いたとき。

バッグの中から軽快な音楽が聞こえてきた。





…ケータイ、マナーモードにするの忘れてた…。





あの場で鳴らなかったことに少し感謝して。

ケータイを開いた。



 

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