不器用なシタゴコロ
はっ?!
罰ゲーム?!
いきなりなんなの?!
聞きたくても。
とーやクンはもう、とうに走り出していて近くにはいない。
「…もうっ!!」
仕方なく。
ホンットに仕方なく、私もとーやクンを追って走りだした。
高いヒールのサンダル履いてなくてよかった…。
「体力なさすぎでしょ?」
…うるさいデス。
「も少し体力つけないと後が大変だよ?」
…余計なお世話デス。
そう反論したいのに。
息があがっちゃって声を出すのもままならない。
直線100メートルくらいの競争。
勝てるとは思ってなかったけど。
まさかこんなに!?
…ってくらい差がついた。
「…なん、で…っ、そん、なに…」
「俺、鍛えてますから。何事もカラダが資本、ね?」
そう言ってお腹辺りを撫でるとーやクン。
…ひょっとして。
腹筋割れてたり。
板チョコが存在してたりするのかな…。
とーやクンのこの体型で割れてたら。
まさに細マッチョ。
“脱いだらスゴイんです”みたいな?