不器用なシタゴコロ
「…車で来るなって言ったのとーやクンだよねぇ?」
「そーだねぇ」
「なのに、なんで車?」
「まぁまぁ」
ハンドルを握り、車を走らせながら。
可笑しそうに笑うとーやクンと、ちょっとブーたれる私。
「…どこに行くの…?」
「まだ内緒」
こんな調子で行き先すら教えてもらえないし。
…気付いたら高速走ってるし。
ひょっとして、私。
拉致られてる…?
チラリ。
運転をしているとーやクンを横目で見ると。
鼻歌混じりにハンドル握ってご機嫌そう。
どこに連れて行かれるんだろ…。
行き先の見当が全くつかない私は。
視線をとーやクンから窓の外に向けた。