金縛り天国
教室を出て階段に向かった途端
「音羽ちゃん」
人混みを掻き分けて笑顔で走って来る1人の男。
はぁー。
やっぱり。
もう溜め息しか出ないし。
「今帰り?
偶然!俺も今帰りなんだ♪」
いやいや、
明らかわざと合わせただろ。
「一緒に帰ろうよ」
「え、いや、ちょっ!」
「どっか寄って帰ろうよ♪」
返事も聞かずあたしの手を引いて
上機嫌で歩き出す神崎。
ちょっ、ちょっと!
何なの、こいつ。
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