ミルクティー
すると、また花火が上がりだした。

思わず、花火を観るために龍から目を離してしまった。

「…ハァ、莉緒」

名前を呼ばれたあたしは、もちろん龍を見る。

その瞬間、唇に柔らかい感触。

…すぐに龍は離れた。

「龍!?い、いきなり何っ!は、初めてだったのに…」

「俺より花火を観たのが悪い。…しかも、初めてだったんだな」

もうあたしは緊張やら照れやらで、まともに花火を観れない。

「…これで、やっと『仮』の付き合いじゃなくて『本物』の付き合いになったな」

「そっそうだね…」

それから無言が続いた。

だって緊張するんだもん!

でも、龍に肩を抱き寄せられた。
< 114 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop