ミルクティー
男の子に手を握られるって滅多にないことだったから、自分でも顔が赤くなってるのが分かった。

「ははっ、顔赤くなっちゃって可愛いー。もしかして初めてだった?」

「はっ初めてじゃないから!それに可愛くないっ」

もうっ嫌!逃げたい!

「ごめんなさい!用事思い出したんで!」

これで逃げれるでしょ!?

「…離さないよ?嘘ついてるって見れば分かるからねー」

えぇ…バレた。ってか、周りの女子が睨んでるんですけど。
マジで離してもらいたい。そして、すぐに逃げたい…。

「あの…ホントに離して」

「やだー。あっ、じゃあさ今日の放課後デートしてくれない?」

なんでそうなるの!?

「いやっ、あの…」

「おい、莉緒。先生が呼んでる。今すぐ来い」

…スッと横から手が伸びてきて霜月君の手をガシッと掴んだ。

「な、中村君!ほ、ホント?じゃあ、霜月君、先生に呼ばれてるから」

「ちょ、中村、手いてぇーよ。離せ」

「お前が先に莉緒の手を離したらな」

無表情だけど、相当力を込めてるみたいで痛そうな顔をしてる霜月君。

「チッ…分かったよ。じゃー莉緒嬢、またあとでねー」
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