ミルクティー
廊下に出たあたし達。
なんていうか…気まずい。

話したこともない中村君が

あの滅多に女子と話さないという中村君が

あたしなんかに話しかけたんだから。

「あのー…中村君?で、先生に呼ばれたって言ってたよね?何処に行けばいいの?」

「…あぁ、あれ…嘘だから」

嘘っ!?

「え、え…騙したの?なんで!?」

「お前が…莉緒が周りの女どもに睨まれてたし…霜月に迷惑してたみてーだから」

え…それって助けてくれたの?

「中村君って意外としゃべるんだねっ!新しい発見!」

「あぁ…、でもお前、教室に戻りづれーだろ?」

「あー…うん。睨まれてたんでしょ?ちょっと戻りづらいかも…」

第一、霜月君がいる時点で戻りづらいって。

「じゃあ…俺とサボるか?屋上で」

屋上で…?サボる…?

「えっ!サボるのはダメ…だと思う!」

「じゃあ、あの教室に戻るのか?」

「うっ…それは…」

「じゃあ決まりだな」
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