先生、大好き 前編
メールアドレス
私はまず、少しでもいいから二人だけの時間が欲しかったから先生のメールアドレスを聞いた。
「先生、メールアドレス教えて?」      「うん、いいよ。職員室においで」  と案外、あっさり教えてくれて意外だった。

教師だからすこしは拒むのかと思っていたから。

その日から先生との二人だけのメールのやり取りが始まった。

最初のうちは学校のことで。

宿題の事とか授業変更の事。
「明日の6時間目ってなにするの?」
「学園祭でのクラスパフォーマンスの内容決めだよ」   とか、学校で聞けば分かることをあえてメールで聞いていた。           担任でもないのに聞くのは変かもしれないけど、それくらいしかメールすることがなかった。

先生はメールをすれば遅くなっても必ず返してくれる。

だから、いつまででも待てた。

個人ボックスを作ってメールがくるのをずっと待ってた。

先生にメールアドレスを聞いたのが6月くらいで、7月から夏休みに入ってしまい会えなくなる。
それが一番辛かった。

そして、あっという間に夏休みに。



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