僕が卒業する理由
そして僕はどうだ、何も変わらないのかもしれない。この舞台に似合わない存在なのかもしれない。
他の優等生や、学校を楽しく過ごした女子たち、部活に励んだ男子、その他もろもろ、そして隣の男。
彼ら、彼女らは今、とてつもない満足感で満たされているのかもしれない。
そして、明日からは三年間通ったこの学校が母校になってしまうという虚無感。
それぞれが持つ些細な感情が混ざり合い、感極まっている。
感情材料。それを用意してくるのを忘れた。
この日、この場所でかつてないほど絶望的になることはずっと前から分かっていた。
けれど、昨日の昨日まで、まだ僕の学生生活には何かが残っているんじゃあないか、と思っていた。
思っているうちに、今日が容易くやってきてしまった。