恋する距離
「みのりって、家こっち方面なの?」
放課後、ほとんどの生徒が帰宅の為に向かう正門じゃなくて、こっそりと人目を気にしながら裏門の方に向かって歩く私に、クラスメートが声をかけた。
「違うけど、裏門の方が人通り少ないから……」
「ふーん、そうなんだ」
最近私はかなりの遠回りだけど、グランドを通って裏門から帰るようにしている。
そんな私を友人は変な目で見ているが、そんなのは屁でもない。
私はあれから彼がサッカー部に所属している事を知った。
グラウンドを横切る時、誰にも邪魔されずに一人で、キラキラ笑顔の彼がボールと追いかけっこしているのを見るのが、私の放課後の楽しみなんだから。
運動部で賑わうグランドを横目に、ゆっくりゆっくりと裏門まで歩く。
今日も彼は楽しそうにボールを追いかけていた。
帰り道、のんびり歩く私と楽しそうに笑う彼との距離。
推定30メートル……。
放課後、ほとんどの生徒が帰宅の為に向かう正門じゃなくて、こっそりと人目を気にしながら裏門の方に向かって歩く私に、クラスメートが声をかけた。
「違うけど、裏門の方が人通り少ないから……」
「ふーん、そうなんだ」
最近私はかなりの遠回りだけど、グランドを通って裏門から帰るようにしている。
そんな私を友人は変な目で見ているが、そんなのは屁でもない。
私はあれから彼がサッカー部に所属している事を知った。
グラウンドを横切る時、誰にも邪魔されずに一人で、キラキラ笑顔の彼がボールと追いかけっこしているのを見るのが、私の放課後の楽しみなんだから。
運動部で賑わうグランドを横目に、ゆっくりゆっくりと裏門まで歩く。
今日も彼は楽しそうにボールを追いかけていた。
帰り道、のんびり歩く私と楽しそうに笑う彼との距離。
推定30メートル……。