信仰者
事件がいつ起こったのかはまだ分からなかった。
何にせよ、目撃者がいないのだから、分かるはずもなかった。


殺されていた10人は、若い女から老人まで様々だった。
月に一度廃校を掃除しに来るという男性が目撃者だった。

男性によると、死体は等間隔に、みな同じ向きで並べられていたという。


「死体には数箇所、焼かれた跡があった。刃物か何かで傷つけて殺した後に焼いたと見られている。相当用心深い犯人なんだな」

加藤が言った。

その他にも、全ての死体に共通して二の腕が焼かれている。


「当分はこの事件に関わる事になりそうだな…」

加藤がため息を吐いた。




「さて……どうするかな」

八郎は広い教室を見渡した。

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