この隙間、僕の存在。
「そのかわり貴方1人じゃ心配です。天界歴6年の先輩を1人連れて行かせましょう」

「先輩??」

まぁ、どういうことかは軽くわかるけど。

「死んで6年目ってことな?」

一応聞いてみる。

「物分かりのいい人ですね」

「どーも」


とりあえずお偉いさんからの了承を得たことで満足げな俺。と、そこであたりをキョロキョロと眺めてみる。

「んー」

そう言えば、冷静になって見回すのはこれが初めてかもしれない。

「案外俺のいた街とかわんねえな」

書店っぽいものがあり、遊園地があり、学校まである。
そのせいか、あまり自分が〝死んだ〟という実感がいまいちわかない。


なーんて。


そんなことを言っても結局、それは自分の足もとを見なければ、の話だけれど。








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