この隙間、僕の存在。
「ふわふわしてんじゃん」

「雲の上ですから」

そういうとこは人間の想像通りなんだな。
おもしれえ。


いや、でもそれよりもおもしろいのが。

「あんた、名前なんて言ったっけ?」
「私に名などありませんよ。この国を守る天使。ただそれだけですから」
「あはは。天使なんて本当にいるんだなー。その羽も本物だろ? 飛べんの?」
「当り前です」

俺がそう問えば、少しその天使さんが誇らしげな顔をしてそう言った。

そんな様子を見て、この国でも翼があるのは特別なんだな、と思った。




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