1970年の亡霊
手紙を読んだ三山は、この所の鬱積した気分が幾らか晴れやかになった。
刑事の仕事のいろはを教えてくれた前嶋の言葉を借りれば、結果はどうであれ信じてやる事なのだと。
本人が口で言う程、世間の目は前科者に対してそんなに寛大ではない。
感情の部分と、現実の部分では大きな隔たりがあるからだ。
が、それを言い訳にしては、又、元の木阿弥になってしまう。
彼もその事を判ってはいるだろう。
何も力になって上げられないが、信じ続けて上げる事だけは出来る。
何時もより、ワインの量を過ごしてしまった。
貴方が背負った罪の真実を私は明らかにしただけ……
その結果、警察の面子を潰した張本人とレッテルを貼られ、閑職に追いやられたけれど、私は少しも後悔してなんかいないわ……
でも、やっぱり捜査の現場に出られないのは、少し寂しい気持ちもするけれど……
私って、警察官僚に向いてないのかな……
キャリアなんかじゃなく、普通に叩き上げにでもなっていればよかった……
叩き上げ……。
三山はふと加藤刑事の事を思い出していた。
刑事の仕事のいろはを教えてくれた前嶋の言葉を借りれば、結果はどうであれ信じてやる事なのだと。
本人が口で言う程、世間の目は前科者に対してそんなに寛大ではない。
感情の部分と、現実の部分では大きな隔たりがあるからだ。
が、それを言い訳にしては、又、元の木阿弥になってしまう。
彼もその事を判ってはいるだろう。
何も力になって上げられないが、信じ続けて上げる事だけは出来る。
何時もより、ワインの量を過ごしてしまった。
貴方が背負った罪の真実を私は明らかにしただけ……
その結果、警察の面子を潰した張本人とレッテルを貼られ、閑職に追いやられたけれど、私は少しも後悔してなんかいないわ……
でも、やっぱり捜査の現場に出られないのは、少し寂しい気持ちもするけれど……
私って、警察官僚に向いてないのかな……
キャリアなんかじゃなく、普通に叩き上げにでもなっていればよかった……
叩き上げ……。
三山はふと加藤刑事の事を思い出していた。