1970年の亡霊
『我等が必要とされる時が訪れた。

 楯のみでは我が身を護れない。

 手にした剣は、身に迫る脅威を排除する為に使われるものなり。

 剣は鞘を走る

 目覚めの時なり』

「何だこれ?」

 黒のスキンに浮ぶシルバーの文字。

 散文詩的な意味不明の文。

 それを読んだ三枝は、特に興味を持つでもなく、

「何のサイトから引っ張り出したの?」

 と川合俊子に尋ねた。

「隊友会」

「はあ?何それ」

「退職自衛官達の親睦団体。OB会ってやつ」

「何でそんなところのHPにアクセスしたのさ」

「直接アクセスした訳じゃないわ。これに行き着く前のページに戻してみるね」

 マウスを操作し、画面をクリックすると、あるネットオークションサイトのHPが表示された。

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