1970年の亡霊
三山は大きく深呼吸をし、ここまで辿り着けた事を素直に喜んだ。
もう一度コンピューターへ目をやると、三山は突然凄まじいスピードでキーボードを操作し始めた。
「どうした?」
河津の驚く声を無視し、三山は操作を続けた。目にも止まらぬ速さで一心不乱にキーボードを打ち続ける三山の姿には鬼気迫るものがあった。
「河津さん、この住所、どんな建物?」
「待て、直ぐに調べる」
河津は専用回線の電話を使い、その住所を管轄に持つ所轄署を呼び出した。
「三山、一昨年廃校になった小学校だそうだ。何でも今は民間のNPO法人が使用しているらしい」
河津が声を掛けても、三山は無言のまま画面を高速でスクロールして行く文字に、釘付けとなっていた。
「なんで!?」
突然、三山が画面を静止させて声を上げた。
「三山、どうした!?」
「気付かれたかも知れない……」
「え!?」
今まで一定の速さでスクロールしていた文字列が、表示される度に砂時計のような状態で崩れていた。
一瞬は凍りついたように固まっていた三山だったが、彼女は直ぐにそれまでのデータを高速ダウンロードさせ、更にはこちらの元のデータが破壊されないようウイルスブロックを施した。
その時、部屋の非常回線電話が鳴った。この電話に掛けて来る人間は限られている。
番号を知っている数少ない人間……手代木局長からであった。
もう一度コンピューターへ目をやると、三山は突然凄まじいスピードでキーボードを操作し始めた。
「どうした?」
河津の驚く声を無視し、三山は操作を続けた。目にも止まらぬ速さで一心不乱にキーボードを打ち続ける三山の姿には鬼気迫るものがあった。
「河津さん、この住所、どんな建物?」
「待て、直ぐに調べる」
河津は専用回線の電話を使い、その住所を管轄に持つ所轄署を呼び出した。
「三山、一昨年廃校になった小学校だそうだ。何でも今は民間のNPO法人が使用しているらしい」
河津が声を掛けても、三山は無言のまま画面を高速でスクロールして行く文字に、釘付けとなっていた。
「なんで!?」
突然、三山が画面を静止させて声を上げた。
「三山、どうした!?」
「気付かれたかも知れない……」
「え!?」
今まで一定の速さでスクロールしていた文字列が、表示される度に砂時計のような状態で崩れていた。
一瞬は凍りついたように固まっていた三山だったが、彼女は直ぐにそれまでのデータを高速ダウンロードさせ、更にはこちらの元のデータが破壊されないようウイルスブロックを施した。
その時、部屋の非常回線電話が鳴った。この電話に掛けて来る人間は限られている。
番号を知っている数少ない人間……手代木局長からであった。