1970年の亡霊
配送用のウォークスルーバンを改造した荷台の中で、岡田と要の二人は強制捜査のニュースを聞いた。だが、二人は表情を少しも変えず、黙々と任務遂行の準備をしていた。
岡田は手にしていた、64式狙撃ライフルのボルトを引き、遊底に弾が送り込まれたのを確認した。
もう一人の要は、助手席にセットされた爆薬に電気信管を装着していた。
「そっちの準備は?」
「もう少しだ」
「なるべく急いだ方がいい。状況が変わったから、予測していなかった事態を迎えるかも知れないからな」
「判っている……」
岡田は頭の中で任務の手順をシュミレーションしていた。
もう何度も同じ事を繰り返していた。目に見えない不安に自分は怯えているのか?という思いを抱きはしたが、直ぐにそんな事はないと、自らの気持ちに言い聞かせた。
この計画のリーダー的存在である鹿島二佐の所が強制捜査を受けた事で、計画そのものが頓挫した形になった。しかし、岡田は与えられた任務を止めようとは思わなかった。寧ろ、こういう状況になったからこそ実行するべきだと考えていた。
それは要も同じ考えだった。
「動き始めた……」
岡田の言葉に、
「待たせた。OKだ」
と言うと、要は運転席に座りエンジンを掛けた。
岡田は手にしていた、64式狙撃ライフルのボルトを引き、遊底に弾が送り込まれたのを確認した。
もう一人の要は、助手席にセットされた爆薬に電気信管を装着していた。
「そっちの準備は?」
「もう少しだ」
「なるべく急いだ方がいい。状況が変わったから、予測していなかった事態を迎えるかも知れないからな」
「判っている……」
岡田は頭の中で任務の手順をシュミレーションしていた。
もう何度も同じ事を繰り返していた。目に見えない不安に自分は怯えているのか?という思いを抱きはしたが、直ぐにそんな事はないと、自らの気持ちに言い聞かせた。
この計画のリーダー的存在である鹿島二佐の所が強制捜査を受けた事で、計画そのものが頓挫した形になった。しかし、岡田は与えられた任務を止めようとは思わなかった。寧ろ、こういう状況になったからこそ実行するべきだと考えていた。
それは要も同じ考えだった。
「動き始めた……」
岡田の言葉に、
「待たせた。OKだ」
と言うと、要は運転席に座りエンジンを掛けた。