1970年の亡霊
血の臭いが充満していた。
部屋に入った三山が先ずした事は、男の身許の確認だった。
「知り合いじゃなさそうね」
虚ろな目をじっと床に落とす三枝から、事のあらましを聞き出すのは骨が折れた。
三枝がぽつりぽつりと語っている間も、三山は死体から所持品を探し出していた。
持っていたのは財布、免許証、それと一本のメモリースティックだった。
メモリースティックを手にしながら、三山は部屋の中を見渡した。
ベッド横のサイドテーブルにノートパソコンがあった。
川合俊子のものだろう。部屋の中は、生前の時のままになっていた。何といっても、葬儀が終わったばかりなのだ。
ノートパソコンにメモリースティックを差込、データを呼び出した。
幸い、セキュリティロックはされていなかった。
液晶画面に映し出されたものは、数日前に川合俊子から見せられたあの文面があった。
どうしてこの男がこれを?
データページをクリックして行くと、何人もの人物の名前が書かれてあり、よく見るとその名前は全て韓国名だった。
三山はもう一度男の所持品を調べた。
財布の中を見てみると、現金が三万程とキャッシュカード、それにIDカードが入っていた。
そのIDカードを見た時、三山は何だかぞっとするような寒気を憶えた。
部屋に入った三山が先ずした事は、男の身許の確認だった。
「知り合いじゃなさそうね」
虚ろな目をじっと床に落とす三枝から、事のあらましを聞き出すのは骨が折れた。
三枝がぽつりぽつりと語っている間も、三山は死体から所持品を探し出していた。
持っていたのは財布、免許証、それと一本のメモリースティックだった。
メモリースティックを手にしながら、三山は部屋の中を見渡した。
ベッド横のサイドテーブルにノートパソコンがあった。
川合俊子のものだろう。部屋の中は、生前の時のままになっていた。何といっても、葬儀が終わったばかりなのだ。
ノートパソコンにメモリースティックを差込、データを呼び出した。
幸い、セキュリティロックはされていなかった。
液晶画面に映し出されたものは、数日前に川合俊子から見せられたあの文面があった。
どうしてこの男がこれを?
データページをクリックして行くと、何人もの人物の名前が書かれてあり、よく見るとその名前は全て韓国名だった。
三山はもう一度男の所持品を調べた。
財布の中を見てみると、現金が三万程とキャッシュカード、それにIDカードが入っていた。
そのIDカードを見た時、三山は何だかぞっとするような寒気を憶えた。