1970年の亡霊
『㈱SIMインターナショナル、闇サイト、高額求人……』

 といった単語が幾つも並んでいた。

 暫く画面を見ながら考えていた三山に三枝が、

「ぼ、僕はどうすれば……」

 と、漸く我に返ったのか、口を開いた。

「やってしまった事はやってしまった事として、きちんと所轄に届出なければならないわ。でも、その前にある程度の真実を知って置く必要があるわね」

「真実……人を殺してしまった事以外に何があるんです?」

「状況を冷静に見れば、正当防衛に当たるし、公務中ではないけれど、君は不法侵入者を見付け、逮捕しようとした。刑事責任に問われる心配は無いと思う。けれど、それをもっと確実にする為のものを私達は知る必要があるわ」

 そう言って三山は再びパソコンの画面に向った。

 三山からすれば、三枝の事も何とかしなければならないが、それよりも優先されなければならない事は、死んだ男が手に入れたがっていたものを知る事である。

「課長……」

「何?」

「これ……」

「それ、どうしたの?」

 振り返ると、さっきまで項垂れていた三枝が、ケータイ電話を手にしていた。

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