1970年の亡霊
点と線
浮遊感のみが全身を支配していた。
しっかりと両目を開けているつもりなのに、眩しさで何も見えない。
何かに追われている感覚があった。だが、身体はピクとも動いてくれない。
ふと、
これは現実の世界ではない……
と思った。
私は……
確か私は撃たれた筈……
銃弾が身体にめり込んで来る衝撃を記憶している。
痛みは感じなかった。
ゆっくりとだが、少しずつ意識も覚醒しつつあった。
しかし、肉体はまだ眠りを欲しているようだ。
頭痛が襲って来た。
全身に不快感が走る。粘つく感覚が全身を覆い、自由を奪って行く。
薄っすらと周囲の景色が見え始めて来た。
天井から赤い液体のパックと、透明な液体が入ったパックがぶら下がっている。
鼻から喉にかけて違和感を覚えたのと同時に、はっきりと自分の居場所が判った。
病院だ……。
声を出そうと必死に叫んでみたが、無音の世界ばかりが広がっている。
白衣を纏った人間が、何人も自分の周りで動き回っていた。
顔が近付いて来た。
か、加藤さん……
声にならない。そして、再び三山の意識は途絶えた。
しっかりと両目を開けているつもりなのに、眩しさで何も見えない。
何かに追われている感覚があった。だが、身体はピクとも動いてくれない。
ふと、
これは現実の世界ではない……
と思った。
私は……
確か私は撃たれた筈……
銃弾が身体にめり込んで来る衝撃を記憶している。
痛みは感じなかった。
ゆっくりとだが、少しずつ意識も覚醒しつつあった。
しかし、肉体はまだ眠りを欲しているようだ。
頭痛が襲って来た。
全身に不快感が走る。粘つく感覚が全身を覆い、自由を奪って行く。
薄っすらと周囲の景色が見え始めて来た。
天井から赤い液体のパックと、透明な液体が入ったパックがぶら下がっている。
鼻から喉にかけて違和感を覚えたのと同時に、はっきりと自分の居場所が判った。
病院だ……。
声を出そうと必死に叫んでみたが、無音の世界ばかりが広がっている。
白衣を纏った人間が、何人も自分の周りで動き回っていた。
顔が近付いて来た。
か、加藤さん……
声にならない。そして、再び三山の意識は途絶えた。