海風~駆け抜けた青春~
-バタン!
「ちょっと陽!聞いて!お母さんってばまた海咲ねぇのことを…って何しけた顔してんの。」
「疲れてんの。お嬢さんを背負って泳いだから。」
陽は仰向けに倒れた。
「それはそれは。ご苦労様でござーました。」
あたしは陽の額にアイスを当てる。
「さっき下でおばちゃんに貰った。陽にもどうぞって。」
袋を開けてアイスをかじる。
「俺にもどうぞって…息子はついでかよ。」
そう言いながらも、袋を開けて食べ始める。
「おばちゃん、家には男ばっかで、あたしがくると嬉しいって。やっぱあたしって可愛いのかな。」
「自分で言うことじゃないぞ。」
ぶーっと言って、陽の方を見る。
陽はぼーっと宙を仰いでいる。