海風~駆け抜けた青春~
「隙ありっ!」
あたしは陽のアイスに噛り付く。
「…おいっ。まだ自分のあるだろ。」
あたしは唇を舐める。
「ぼけっとしてるから。溶けちゃうじゃん。」
陽が抱えていることは、十分理解してるつもり。
あたし達は、自分達が抱える事情を無理に聞き出そうとはしない。
これは、幼なじみであるあたし達の暗黙のルール。
自分で言いたくなるまで待ってる。
まぁ、たいていのことは笑い話なるくらいに解決している。
話してくれても、みんなで悩むとか辛気臭いからみたいなノリで話してるから、深くは追求しない。
そんな関係だから、今陽が抱え込んでいることなんて聞く気はない。