海風~駆け抜けた青春~





「隙ありっ!」





あたしは陽のアイスに噛り付く。








「…おいっ。まだ自分のあるだろ。」







あたしは唇を舐める。






「ぼけっとしてるから。溶けちゃうじゃん。」









陽が抱えていることは、十分理解してるつもり。












あたし達は、自分達が抱える事情を無理に聞き出そうとはしない。




これは、幼なじみであるあたし達の暗黙のルール。





自分で言いたくなるまで待ってる。






まぁ、たいていのことは笑い話なるくらいに解決している。





話してくれても、みんなで悩むとか辛気臭いからみたいなノリで話してるから、深くは追求しない。







そんな関係だから、今陽が抱え込んでいることなんて聞く気はない。




< 17 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop