海風~駆け抜けた青春~
「いい加減家出はやめろよ。
しかも家出先が真ん前だもんな。」
そう、あたしの家は陽の家の前。
ちょっとした反抗だからね。
「って、さっきから家出家出って言ってるけど、あたしは避難してるだけ。
自分を守ってんの。違い、わかる?」
「わっかんねぇ。
それに、避難場所を俺の家にすんな。」
「いーじゃん。
昔っからのあたし達の仲でしょ。」
傍にあった団扇を手にし、扇ぐ。
「ならさぁ、そんな格好で来んなよ。」
あたしは自分の服を見た。