海風~駆け抜けた青春~
「…そういうわけにはいきません。もっと勉強を頑張って欲しいです。」
「またそれ?あたしはちゃんとしてる。何でわかってくれないの?」
お母さんを睨み付ける。
「見たことないから言ってるでしょう?
お姉ちゃんはねぇ、いつもいつも一生懸命努力を…」
バン!
「お母さんはあたしを見てないだけじゃん!」
机を叩いて立ち上がり、あたしは教室を飛び出した。
廊下をがむしゃらに走る。
トランペットの音が、あたしの耳に微かに届いた。