海風~駆け抜けた青春~
「告った奴が悪い。見た目で判断するなっつーの。」
確かに、美空は綺麗だ。
肌が透けるように白く、肩ほどの黒髪は真っ直ぐ揃えられている。
腕や足は細く、今にも消えそうなほど儚いところが、男子にとって守ってあげたいって思わせるのかな。
「そんなこと言っても、結局人は見かけから入るでしょ?」
あたしもフェンスにもたれ掛かる。
「あんたもあたしをそういう目で見てるんだ?」
少し怒ったように呟いた。
「何言ってんの?
美空って馬鹿だったんだ?」
勢いよくこちらを向く彼女に一言。
「美空は見かけがないと誰も近付けないよ。」
「海波…あんたってさ、あたしに喧嘩売ってんの?」
美空は、握った拳をあたしの前に突き出す。