海風~駆け抜けた青春~
「じゃあ、逆に聞くけど…その性格で良いって言ってくれる人いる?」
「あんた、あたしにこの性格を直せと言ってんの?」
あたしは美空を見て、また空を仰いだ。
「美空がその性格じゃなかったら、気持ち悪い。」
嫌そうな顔をしてみせる。
「言ってること、矛盾してる。」
フェンスから体を起こし、美空の方に振り返る。
「美空は、そのまんまが良いって言ってるの。
自分は自分でしょ?」
美空は薄く微笑んだ。
空を見上げる。
どこまでも広がる空が、あたし達に夏を告げていた。