海風~駆け抜けた青春~
「これからできる!…と信じてる。」
「あぁそう。」
興味なさそう。まぁ良いけどね…
暫く歩くと、石段の前にしゃがみ込む大地の姿が見えた。
「おっせーよ!」
「ごめんごめん。陽ったらね、トイレが長くて…」
「おい。俺、トイレ行った覚えないんだけど。」
「そうだっけ?」
「良いから、早く行こーぜ。」
「ってことで、陽りんご飴買ってー。」
「俺、射的~。陽の奢りな。」
「俺はお前らの財布じゃねーぞ…」
こんなたわいもない会話ひとつひとつが、今のあたしにとって、全てを忘れられる時だった。