海風~駆け抜けた青春~
Period2~過ぎ去る秋と冬の訪れ~
曇り空
-10月下旬
落ち葉が増え、季節は冬の準備を始めた。
-ガラッ
「みっそらー。今日なっちゃんがねー「うっさい。病院では静かに。」」
ボフ!
「いったーい!」
病室の扉を勢いよく開けたあたしに、これまた勢いのある枕が飛んできた。
「なによー。せっかく見舞いに来たのにー。」
ぶーっと頬を膨らませ、美空を見る。
手には本が握られていた。
「嘘っ、嘘です!見舞いじゃない!」
本を置くのを確認して、ベッドに近付く。
「で、何の用?」
しれっとした顔を向けられる。
また痩せた。