海風~駆け抜けた青春~
あの日から二ヶ月が経った。
あの時のことは、今も鮮明に覚えている。
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「…何してんの?」
「何って、見てわかんないの?今から屋上行くの。」
「いやいやいや、そうじゃなくって。」
「美空、お前大丈夫なのか?」
「何ともないから起きてるじゃん。」
ベッドから下り、点滴を引く美空に疑いの眼差しを送る。
「だって、倒れたっ「うざい、くどい。平気って言ってんじゃん。」」
容赦のない言葉があたしの発言を遮断する。
「屋上行って花火見んの。どいて。」
あたし達を割って、廊下を歩いて行く。
凛とした背には、いつもの美空とは違う雰囲気が漂っていた。