海風~駆け抜けた青春~
あーー!
いつもいつも海咲ねぇのこと話してっ!
あたしは海波だっつーの!
母は、あたし自身を見ず、どんな時でも何かと海咲ねぇはっていう話をする。
いつからか、優しくて綺麗な自慢のお姉ちゃんが、あたしのコンプレックスになっていた。
呪文の様に、毎日唱えられてきて、あたしにも限界が近付いているのだろう。
最近、プチ家出、もとい避難が多くなってきた。
あたしはそのままベットに潜り込み、携帯を手にする。
アドレス帳を開き、電話をかけた。