ひとつ昔話をしよう。

「さあな、何となく」


俺の曖昧な返事も何時も通り。

力無い声にため息が返ってきた。


「またそれー」


先輩は何時もそればっかりじゃないですか。

ふっくらとした桃色の唇をツンと尖らせ、勝手に許可もなく俺の隣へ腰を下ろす。

後輩から逃げるよう俺は立ち上がり空を仰ぐ。


学校は退屈だ


勉強は面白みもない

反面教師ばかりで

部活もお遊びクラブ程度でやる気にもならない。


将来も曖昧だ。

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