蓮の苦悩

その日珍しく
向井から電話が来たんだ

"先輩…転勤なんですって？
転勤前に一度飯食いに行きませんか？"

俺もｱｲﾂには聞きたい事が
あったから何とか時間を作って
出かける事にした






"まずは乾杯！"

俺達は高校剣道部の
先輩と後輩の間柄でしか
無かったけれど
ｺｲﾂとはもしかしたら
義兄弟になるかもしれない不思議な気分だ


"で？亜美ちゃんとは
どうなんだ？"

"いきなり来ましたか…
無事ﾊﾞﾚずに卒業しました"

"本当にありえねーよな。
卒業するまで待てなかったのかよ？"


"は…すいません。
でもかなり我慢したんですよ…
これでも…かなりお互い
葛藤あったし…"


"まぁ当然だわな。
暴走しなくて良かたっわ…
で、これからどうするんだ？"


"とりあえず、亜美が
専門学校卒業するまで
このままです。
彼女が就職してから結婚を
考えます。"


"？すぐ同棲とか前に
言ってなかったか？"


"そう…思っていました。
けれど
以前、先輩達に言われた様に
亜美も社会人を経験する事は
大切だと…俺も思うので"