蓮の苦悩
あれから数日後
家に電話が来た

俺は受話器を取った
"もしもし---------"




"-----------あの---
水野です。
今話せますか?"


"あぁ-------何?"




"私-----やっぱり
田崎さんが好きです
もう一度私と付き合って
もらえませんか?"

やっぱり…

"水野 悪いけど
それは無理だ。
俺には彼女がいるんだ
だから 悪いが無理なんだ"
"---でも!
彼女がいても
私は貴方が好きなの!
忘れられないの…"

"水野 言い方間違えた
彼女がいるから
無理なんじゃない
俺が今の彼女じゃないと
駄目なんだ

俺は本気で彼女を愛してる
いくら水野が俺を思っても
応える事はできない
彼女以外では有り得ない

だから申し訳ない
職場の同僚として
水野とは接して行きたい
それ以上を求めて
こられては困るし

求められたら
君を遠ざけなくてはならない
わかって欲しい"

水野は電話口で泣いていた
"あの時、田崎さんは
私の事好きでしたか?"

返事ができなかった…



しばらくして電話は切れた
大丈夫だろうか
周囲に嘘を言う位だ…
何となく
すっきりしないが
必要以上に彼女を傷つけ
る事も無いだろう
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