蓮の苦悩
湖畔の周りでは人々が
歓声をあげて
花火を楽しんでいた
"麗奈 またこうして
二人きりで一緒に過ごしたい"
俺はそう言って麗奈に甘えた
普段仕事では
人生の裏側ばかりを
見ている俺
今の幸せな時間とはまるで逆で
裏切り・妬み・恨み
を目の当たりにする毎日
死体を多く目にする事で
俺の死生感は大分
変わった気がする
一つ一つの遺体に
感情移入なんて
していられない
むしろ、残された家族の
思いを思うと遺体を
目の当たりにしたら
腹が立つ事が多い
しかし事件に巻き込まれて
死んで行く人は別だ
彼らの事を思うと
死刑制度は必要だと
感じる
様々な問題点はあるが
・
・
・
そんな殺伐とした中に
身を置く俺にとって
麗奈の癒しは大切だ
俺は麗奈と気持ちが
通じてから変わった
職場の仲間にもよく言われる
"田崎お前穏やかになったな"
どうやら麗奈の効果は
絶大みたいだ
早く自分の物にしたい
毎日俺に癒しを与えて欲しい