蓮の苦悩

湖畔の周りでは人々が
歓声をあげて
花火を楽しんでいた


"麗奈 またこうして
二人きりで一緒に過ごしたい"

俺はそう言って麗奈に甘えた

普段仕事では
人生の裏側ばかりを
見ている俺

今の幸せな時間とはまるで逆で
裏切り・妬み・恨み
を目の当たりにする毎日

死体を多く目にする事で
俺の死生感は大分
変わった気がする

一つ一つの遺体に
感情移入なんて
していられない

むしろ、残された家族の
思いを思うと遺体を
目の当たりにしたら
腹が立つ事が多い


しかし事件に巻き込まれて
死んで行く人は別だ
彼らの事を思うと
死刑制度は必要だと
感じる

様々な問題点はあるが




そんな殺伐とした中に
身を置く俺にとって
麗奈の癒しは大切だ

俺は麗奈と気持ちが
通じてから変わった

職場の仲間にもよく言われる
"田崎お前穏やかになったな"

どうやら麗奈の効果は
絶大みたいだ


早く自分の物にしたい

毎日俺に癒しを与えて欲しい
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