Black Children
The first
夏―

蝉の鳴き声が響く。
毎年のことだが、やはりこの声は聞き飽きない。
・・・そして、ここの人間にも。

毎年、春が来て夏が来て秋が来て冬が来る。
その繰り返しだと、人間も含めた生き物達は思っているだろう。
けれどそれは違う。
ほんの少しずつ…。
少しずつだが、世界は動いている。

そしてその世界は、遠い場所ではない。
今、自分がいる『此処』である。

その世界が壊れていく。
壊したのは自分自身。
そしてそれを救うのも・・・自分。
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