イケオタ
ぎぃぃぃ・・・

きしむドアをゆっくりと開けて中に誰も居ないことを確認し奈瑠は中へと足を進めた

中は男子トイレ特有の少し重い雰囲気に鼻にへばり付いてくる臭いがしていた


ホントにこんなところに神崎がいるのかな・・・

ゆっくりと先へ進むと一番奥の個室に鍵が掛かっていた

そこからは女の子の小さく押し殺したような泣き声が聞こえていた

「・・・」

なんと声を掛けていいかわからない奈瑠はその場で立ち尽くしていた

それから5分位がたっただろうか

他に人が入ってきたらまずいと思い奈瑠は思い切って話し掛けようとした

しかしそれよりはやくドアの向こうからかすれた声が聞こえてきた

「ハァ・・・私何ムキになってあんなこと言ったのかしら
ばっかみたい
きっと今頃、みんなで私が変だって話してるわよね・・・」
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