甘酸っぱい彼

その人は割れた眼鏡を投げ捨てた。
「って～な・・・。痛ぇよ。眼鏡まで割るんじゃねぇよ・・・。新しかったのにさぁ！」
あたしはびっくりして声が出なかった。だって、その顔は・・・。

モ・・・モデルの・・・向井秀太（むかいしゅうた）！？　なんで・・・彼がここに！？

「後ろから殴るなんて・・・、弱虫の中の負け犬だな。」
彼はそう言うとニヤリと笑った。口からは血が出てる。そんな彼を見てムカついたのか、ヤンキー達は一斉に襲いかかってきた。
しかし大勢のヤンキーを相手に彼は何楽、ヤンキーをボコボコにしていく。そして、ヤンキー達は逃げて行ってしまった。


「はぁ・・・はぁ・・・。」
彼は肩で息をしてベンチに座り込んだ。
「あの・・・。ありがとうございました！」
「別に・・・。前からムカついてたから・・・、そのついで。ここ、俺のお気に入りだったのにあいつらが汚して占領したからうざかったんだよ。」
彼はそう言うとニッコリ微笑んだ。

か・・・かっこいい・・・。

「あのっ。お礼したいんですけど・・・。何すればいいですかっ？」
あたしは緊張しながらも、もっと話したくて話題を作る。だって・・・、こんなチャンスニ度とないかもしれないでしょ？
「んじゃぁ・・・。コーヒー牛乳。」
「えっ！？」
「今度コーヒー牛乳おごりね。」
彼はそう言うとケータイを取り出して[メアド、一応交換な。]と微笑んだ。あたしは嬉しくてOkした。

あたし、この人のファンだったんだっ♪　だから、超嬉しい！