甘酸っぱい彼

始まり

１.春

退屈だったあの日から、年月をかけて高校に入る春が来た。あたしはもう高校とかどうでもよかった。でも、あの最低な父親のせいで高校に行かないと行けないなんて・・・。
「えっ！？高校に行け？」
「あぁ。行ってみなさい。」
「いやだよ。あたしはもう、学校なんて行かない！」
「もう決まったんだ。いいから行きなさい。」
あたしはしばらく考えた。
「でも受験してないし。無理だよ・・・。」
「それなら大丈夫だそうだ。私の知り合いに高校の偉い人がいる。その人の高校なら今からでも行けるだろう。」
父は誇らしげに言った。でも、それから・・・
「それはいいんだが・・・少し荒れてるらしい・・・。」
「荒れてるって・・・だったら行かなくていいよ。」
「行きなさい。いい思い出になるぞ。」
父はこんな風に言うが、きっとそんなことちっとも思っていないだろう。だって最低な人だから。自分が良ければいい人なんだ。この人のせいであたしの中学校生活がめちゃくちゃになったんだ。
「わかった。行ってみるよ・・・。」
あたしはしばらく考えると返事を返した。これ以上言っても父はきっと引き下がらないだろうと思ったからだ。
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