甘酸っぱい彼

胸のざわめき

次の日になって、あたしは昼休みになると向井君にメールをした。あの時のお礼にコーヒー牛乳をおごる約束があったから。メールをして十分もしないうちに向井君は待ち合わせしてた売店の前に来た。
「よっ!・・・おごってくれんだ?」
「うん。お礼したかったから。」
向井君は嬉しそうな顔をしてる。そんな顔を見てあたしも嬉しくなった。
「コーヒー牛乳、一つください。」
あたしは売店の人に注文をした。売店の人はコーヒー牛乳を冷蔵庫から取ると向井君に渡した。お金を払うとあたしと向井君は屋上に向かった。


屋上であたしたちは昼食をした。あたしは向井君が来る前に買っといたメロンパンとミルクティーを頬張る。向井君はコーヒー牛乳とあんぱんを食べていた。
「やっぱ、コーヒー牛乳うまい。」
「ほんとに好きなんだね。」
「コーヒー牛乳が無い人生なんてあり得ないって思ってるからね。」
向井君は子供っぽく笑った。なんだか、雑誌で見てる向井君とは大違いだった。
「向井君、モテるんだろうね。 今までで何人くらいと付き合ったことあるの?」
あたしは冗談交じりに問いかけた。
「俺、実は付き合ったことないよ。」
向井君はあんぱんをかじりながら言った。
「告白はよくされるけど、全部断ってきたから。」
「今まで!?」
「ああ。」
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