甘酸っぱい彼
[修ver]
                                        昨日のカラオケで遊んだ時、俺は胸に違和感を覚えた。あいつに近づいたら急に胸がざわめいて・・・、とにかくドキドキしていた。あれはなんだ?勘違いか?いや、勘違いじゃない・・・。今まで、他の奴に近づいたってあんなことなかった。恋か?あんなへなちょこな奴に恋したのか?

俺はこんなことを朝起きてからずっと考えてる。そのせいで午前の授業はまったく頭に入ってない。桂太郎や祐介にもおかしいと言われた。今俺は昼休みというのにも関わらず、四時間目に理科室に忘れた教科書を一人で取りに行ってる。ほんと、今日の俺はハッキリしてない。
「何やってんだ、俺。」
独り言を呟いては舌打ちをしている俺。周りの奴らはそんな俺を見ても何とも言ってこない。周りの奴らとは話さないようにしてるのは、この俺だから。


理科室に入ると机の上に教科書が置いてあった。勿論、俺の。
「たくっ、めんどくせぇ・・・。」
教科書を手に取ると俺は教室の外に出た。そして、さっき来た道を戻る。
「やっぱ俺、あいつに・・・。」
俺はそこまで言うと外を見た。屋上に誰かいる・・・。よく見てみると見覚えのある顔ぶれだった。
「・・・っ!向井と・・・相沢っ!?」
俺は窓越しで屋上を見つめる。その瞬間・・・。
「あいつら・・・。・・・キス・・・した・・・。」
俺はその瞬間胸でチクリと痛むのを感じた。そしてその瞬間瞳が揺れて・・・気づいたら俺は教室まで走っていた。
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