甘酸っぱい彼
注文したもんじゃが来て、二人は食べていた。
「相変わらず、美味いな。」
「あぁ・・・。なぁ・・・、さっき相談してーって言ったじゃん?」
「あっ、そうだった。なんだ・・・?」
「実は俺さぁ・・・。」
「ん?」
秀太は言いずらそうにしている。
「なんだよ。言えよ。」
「俺・・・、修の好きな奴・・・ひかりとさぁ・・・。」
「ひかりと・・・なんだよっ?」
「ひかりと付き合ってるんだよね・・・。」
修はその瞬間固まった。秀太に何度も相談していて、告白してみればって何度も言われてたのに裏切られたのだった。
「お前・・・、応援するって言ってたじゃんか。」
「確かに、前まではしてた。・・・でも、好きになっちゃったんだよ。・・・そんで、告白したらokって言ってもらっちゃって。」
修の瞳は大きく揺れて、頭の中は真っ白になった。
「それに俺ひかりと・・・、ヤっちゃったんだよね。」
時間が止まる・・・・・・。目の前のもんじゃはみるみる黒くなっていく。押しつぶしていたから、そこの部分が真っ黒だ。
「ほんとっ、ごめん。」
秀太は頭を下げて謝った。しかし、修には見えてしまったんだ。秀太が小さく微笑んでいるところを・・・。
「・・・ふざけんなっ! 帰る・・・。」
修は走って店を出た。外は雨が降っていて体はびしょ濡れだったけど、修はそんな事構わずに一人で泣いた。
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