甘酸っぱい彼
「て・・・てめぇ・・・。」
俺は吐き気を我慢しながらそいつを睨んだ。
「おはよッ♪ 修っ。」
目の前には桜田が立っている。桜田は俺が持っていたパンを取るとにんまり笑って言った。
「いっただっきまーす!」
桜田はそう言うと最後の一口のパンを食べた。
「勝手に食ってんじゃねぇーよ・・・。用が済んだんなら、さっさと消えろ。」
俺はこれでもかってくらい低い声で言った。そんな俺を見て桜田は俺の隣に座ると呟いた。
「あたし、まだ修の事好きだよ? ・・・パン、ごちそうさまっ! 修の味がした! そろそろ修の降りる駅じゃない? んじゃ、ばいばい♪」
桜田はそう言うと四号車目に行った。
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