甘酸っぱい彼
「修ッ!」
桜田美衣奈だった。俺は瞬時に吐き気に襲われた。こいつがいたら告白できないと思った俺は相沢の腕を掴んで扉のほうに向かった。しかし・・・
「行かないで修。」
桜田は俺の腰の辺りに抱きついてきた。最悪だ・・・。桜田を突き放そうとした瞬間・・・。
「あたし・・・先に教室に戻るね・・・。」
そう言うと相沢は出て行ってしまった。それからしばらく沈黙が続いた。しばらくて桜田が言った。
「ねぇ、修。邪魔がいなくなったんだし、サボってどっか行かない?」
「・・・。」
「あっ、そうだッ! この前できたばかりのクレープ屋さん行こうよ。美味しいらしいよー♪ 美衣奈、行ったことないから行きたぁい! 美衣奈はぁ、イチゴ味が食・・・。」
「・・・れ。」
「・・・え?」
「うるせんだよ、黙れ! ふざけんなッ!」
俺は怒りを桜田にぶつけると屋上を出て行った。
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